犬は、人に比べて「てんかん」や「発作のような症状」が見られやすい動物だと言われています。
その背景には、遺伝的な特性だけでなく、脳の構造や体の調整機能である ECS(内因性カンナビノイドシステム) が関係しています。
この記事では、犬に発作が多い理由と、なぜ犬がCBDに反応しやすいとされるのかを、学術的な視点からわかりやすく解説いたします。
1. 犬に「てんかん」が多いと言われる理由
① 遺伝的背景が強い
犬は、長い歴史の中で人間によって繁殖が行われてきました。
そのため、特定の気質や体質だけでなく、発作を起こしやすい遺伝特性も受け継がれやすくなっています。
特に
ビーグル
コーギー
シェルティ
ジャックラッセルテリア
ゴールデンレトリバー
などは、発作が見られやすい犬種として知られています。

② 脳が刺激に敏感に反応しやすい
犬の脳は、音・光・匂いといった外部刺激に敏感で、
感情の変化(興奮・不安・恐怖など)も人より大きく揺れ動きます。
このような「脳の興奮の伝わりやすさ」が、発作の引き金となることがあります。
③ 代謝の変動に影響を受けやすい
犬は、以下のような生理学的な変化で発作を起こすことがあります。
低血糖
肝機能の低下
ナトリウム・カルシウムのバランス異常
強いストレス
睡眠不足
とくに小型犬や高齢犬では、これらの要因が重なりやすいといわれています。
2. 犬の脳がCBDの影響を受けやすい理由
ここからは、犬とCBDの関係を科学的に読み解いていきます。
① CB1受容体が脳に豊富
脳には、神経の興奮を調整するための CB1受容体 という仕組みがあります。
犬はこのCB1受容体が、
小脳
海馬
脳幹
に特に豊富に存在しています。
これは、人より密度が高いとされ、神経の過剰な興奮を調整する働きが影響を受けやすいことを意味します。

② ECS(内因性カンナビノイドシステム)が敏感
ECSは、私たちの体のバランスを整える重要なシステムで、
脳・免疫・神経・消化器など全身に広がっています。
犬は、このECSが
環境や体調の変化に敏感に反応しやすい
という特徴を持っています。
つまり、犬はECSが整うと変化がわかりやすく、
逆に乱れると体調に影響が出やすい動物と言えます。
3. CBDが犬で体感されやすいと言われる理由
CBD(カンナビジオール)は、ECSに働きかけることで体の調整機能をサポートします。
犬で変化が出やすいとされる理由は次の通りです。
① 脳の受容体との親和性が高い
犬はCB1受容体が豊富なため、
神経の働きを整える方向の変化が現れやすい
と考えられています。
② 神経の炎症がやわらぎやすい
加齢、ストレス、環境変化により生じる“サブクリニカルな炎症”に対し、
CBDは穏やかに調整する方向に働くとされます。
③ シニア犬では変化がより明確に
高齢犬では、
歩くスピードの低下
反応の鈍化
不安の増加
などがよく見られます。
これらはECS機能の低下と関係している可能性があり、
調整が入ると行動の変化が分かりやすくなることがあります。

4. 犬は“からだの変化がそのまま行動に表れやすい”動物
犬は、体のバランスの変化が行動として非常に分かりやすく表れます。
たとえば、
体調の良い日はよく歩く
不調の日は食欲が落ちる
必要なものには自ら近づく
といった変化が素直に見られます。
これは、犬のECSが敏感に働き、
体内で起きた変化が外からの行動として観察されやすいためと考えられています。
犬は、生物学的にも行動学的にも、
体のバランスが整うとそれが“見える変化”として現れやすい動物です。
5. まとめ
犬に発作が多い理由には、
遺伝的な傾向
脳の構造
代謝の変動
情動の揺れやすさ
といった複数の要因が関係しています。
さらに犬は、
ECS(内因性カンナビノイドシステム)の反応性が高い動物であり、
CBDによる変化が人よりわかりやすい場合があります。
これらの知識は、犬の健康を理解し、
行動や体調の変化を読み取る上で非常に重要です。
ECSと犬の関係を知ることで、
犬という動物の奥深さがより一層見えてきます。
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